時間がかかる仕事と、かからない仕事を分ける。これを基本にして、時間がかかる仕事の優先順位をつけて、今日こなすべきメインの仕事を書き出す。これを毎朝するだけで、日々の仕事の能率は上がりますが、もっと長期の仕事や計画はどう管理すればいいのでしょうか。
何か月後に資格試験を受けるとか、長期のプロジェクトを任された時は、一週間単位できちんとスケジュールを決めたほうがいいでしょう。
一週間単位でスケジュールを作る時にお勧めなのは、一週間でやらなくてならない予定の勉強量や仕事量をはっけりさせて、それを五で割って計画を立てるということです。
そして、五で割ったものを月曜日から金曜日までの予定に振り分けます。そうやって、一日単位の「日割りの仕事予定」を立てるのです。社会人であれば当然、飲み会が入るとか、予定外の仕事が舞い込んできたりして、「日割り」した仕事をこなせない日も出てきます。そうした場合は、やり残した分を土曜日に片づけるようにします。
土曜日に休みが取れない会社だとちょっと辛いかもしれませんが、とりあえず五で割って、やり残しを土曜日に終わらせるようにすれば、週に一日ちゃんと休みを取ることができます。運よく金曜日までに終わらせることができれば、土曜日も休めます。
月曜日から金曜日は「日割り」の仕事をできるだけこなし、土曜日は「借金を返済する」ということを習慣づければ、ロングスパンの計画でも狂いません。週単位で帳尻を合わせていくことができるのです。
それかもう一つ勧めているのは、土曜日(土曜日の借金の返済に時間がかかった際は日曜日)にはその週にやったことの「まとめ」「復習」をするということです。資格試験の勉強をしている場合でも、週に一回、まとめの「ミニレポート」のようなものを作ることが有効です。
勉強にしろ仕事にしろ、復習して、その週にできたことを見直したうえで、簡単な「レポート」を週単位で書いておくのです。今週できたことをしっかりとアウトプットすることによって、仕事の進み具合が把握できますし、勉強だったら中途半端な知識というものがなくなります。
逆にいえば「知識」というのは、レポートなどの形でちゃんとアウトプットできてこそ、身につくものだと言えます。
ついでに言っておきますと、長期の仕事や勉強の際には、週に一日くらいは休みがほしいものです。そうでないと長続きしませんし、ストレスが溜まります。土曜日の借金返済や復習に時間がかかりすぎないかぎり、日曜日はできるだけオフ日にすべきです。
長期の仕事や勉強の計画を立てる時のポイントは、「量」で目標を立てることです。この仕事は一日何時間割り当てるとか、数学の勉強を二時間、というような「時間」で計画を立てることはあまり有効ではありません。
三か月間かけてやる仕事があったら、それを十二で割り、一週間の予定を量で出す。そういった数値目標という「量」の目標を立てることで、仕事は必ずはかどります。「時間」で計画を立てることが有効なのは、たとえば勉強の習慣をつけたい時です。
どうしても机の前でじっとすることができない人は、何時から何時までは机に向かって勉強し、本を読むということを自分に強制して習慣づけるのです。これは一種の行動療法ですから、ある程度の効果は期待できます。
しかしそれ以外の目的では、基本的には「何時から何時」という型のスケジュールは意味がありません。特に社会人であれば、時間というのは流動的になりますから、何時から何時まで、というスケジュール管理はすぐに破綻してしまいます。破綻するようなスケジュール管理をしないことも、立派な習慣です。